人気ブログランキング | 話題のタグを見る

●・台湾国際放送( RTI )の日本語番組から、dictationした記事を紹介しています。●


by trocke
カレンダー
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31

台湾の正月料理

RTI 日本語放送 20060128

土日の放送内容は収録しない方針ですが、旧正月期間は特別番組を編成していますので、例外的にご紹介します。

●正月料理
personality:三宅教子
日本語課スタッフ、ひとりひとりに「台湾の年菜」について話してくださいとのお題。しかし、どうも料理は苦手なスタッフが多いらしく、「思い出」話になっちゃうことも。




▼葉英晋氏(「台湾よいとこ」の解説者)
 台湾では、だいたい三種類の餅を用意する。
1)ティンケー(閩南語、ミンナン語で)→ 北京語で、「年糕」のこと。「糕」の発音は「高」gao1と同じで、“出世”を意味する。もち米を蒸してつくる。
2)ファッケー(閩南語)→ これももち米を蒸して作るが、ふくらし粉を混ぜて、ふんわりした仕上がり。
3)チャイタウケー(閩南語)→ 大根餅のこと。これは在来米(粘り気のない米)を使うのがポイント。すり下ろした大根、干しエビ、しいたけなどを入れて作る。大根餅は、油を薄く引いて焼いて食べるほか、スープに入れて、日本のお雑煮のようにして食べたりする。
 
これらの餅を作る時には、台所に子どもを入れてはならないというタブーがある。食いしん坊な子どもが鍋の蓋を開けてしまうと、餅が膨らまず、膨らまない餅は縁起が悪いということ。
これら、台湾のお餅は蒸して作るのが共通。最近は市場で材料を売っていて、ミキサーさえあれば手軽に作ることができる。

▼荘麗玲さん
 ベジタリアンのレイレイさん。カラシナこと長年菜 chang2nian2cai4の紹介。彼女自身は、苦味がきらいで食べたことがない。小作農が二期作の後、カラシナを植えて、それを年越し料理にしていた。

▼羅友辰さん
 正月一日の朝ご飯を紹介。4種類の野菜が出る。
1)大根→ これは閩南語でサイタオ(菜頭)というが、彩頭(cai3tou2)=良い兆し と同じ発音。
2)セロリ→ 芹菜(qin2cai4)の、「芹」の発音が勤勉の「勤」と同じ。
3)ピーナッツ→ カラシナこと「長年菜」 chang2nian2cai4 と同様に長生きを願って。
※番組では、「ジャトウタオ、ジャガ ラオラオラオ」と言ってましたが、閩南語(台湾語)については、知識がなく漢字がわかりません。「トウタオ」は“頭豆”で、ピーナッツのこと。カシラになるで縁起物になっています。「ラオラオラオ」の部分は“老老老”かな? 全体の意味は“ピーナッツを食べて長生きしよう”です。
4)キャベツの漬物→ 油っぽい料理の後口をさっぱりさせるため。
 
▼林田充知夫さん
 新年のカウントダウンで、町の人たちが家の前に出てきて、手に手にロケット花火を飛ばした思い出。

▼金谷かおりさん
 部屋に台所がないそうで、卓上コンロでスープ、スープ……。初めての台湾でのお正月なので、いろいろ食べて勉強します。紅包(hong2bao1)=お年玉 をもらったり、あげたりする相手もいないし。
※三宅さんが、紅包について「そんな寂しいこと言わないで、来年は相手ができるように願ってますよ」とコメントしてましたが、たしか独身者は年齢制限なく、紅包をいただけるんじゃなかったですか? 紅包多多來!

▼塚越西穂さん
 日本では「ぶっとびスープ」として知られている、佛跳牆(fo2tiao4qiang2)を紹介。海の幸、山の幸、そして豚骨スープの料理で、タロ芋、アワビ、ウズラの卵、フカヒレ、ナマコ、紹興酒、……。これらを密閉した容器でコトコト煮て作る。食べる時に蓋を開けると、とてもよい香りがする。
※「牆」の漢字を“奥秩父の瑞牆山(ミズガキヤマ)のガキ”と紹介されたとき、さすが西穂さん、お父様が西穂高から命名されたという話を思い出しました。ところで、日本で「ぶっとびスープ」って呼ばれてるんですか? 知らないのはわたしだけ?

▼上野重樹さん
 上海から、ひとり台湾にやってきて、国際青年活動中心で新年を迎えた。地下の食堂で食べた、油で揚げたサンマや米(ぱさついていないご飯)の味が忘れられない。折りにふれ、お母様が「あんた、“台湾ではうまい魚が食べれるんだよ”って電話してきたよね」と話されるとか。
 
▼王淑卿さん
 子どもの頃は、鶏料理は大人しか食べられなかったが、お祝いや春節ではみんな食べることができたので楽しみだった。母は、鶏を煮たスープをこっそり飲ませてくれることもあった。
 鶏は丸ごと使い、神様やご先祖様に敬意を表し、(切ったりせずに)そのままの形で料理として仕上げる。また頭、羽根、尾羽の四点金は残さなければならない。
 閩南語で、「家」と「鶏」は共にケーと発音するので、「吃鶏、起家」(ジャーケー、キーケー)で、鶏を食べると家が繁栄する。

▼蔡焜燦氏
三宅さんの番組に何度か登場して「老怪童」の放談を披露された蔡氏が、おすすめのスープ2品の作り方を披露。

「豚骨とサザエのスープ」
1)鍋で豚のあばらで出汁をとる。浮いてきた油を取り除く。
2)サザエの缶詰を用意しスライスしておく。丸に盛のトレードマークが付いた日本メーカーのサザエの缶詰があったが最近見かけなくなった。
3)するめは少し水で戻して短冊切り。ニンニクの茎も食べやすい長さに切る。1)の出汁にこれらを入れて20〜30分煮込む。
4)サザエを入れ、缶詰の汁も入れる。煮立ったら刻んだセリをいれて、さっと煮立たせて出来上がり。

もう一つは「鶏とハマグリのスープ」
1)鶏半身(5人分くらいの分量)を各部位ぶつ切りにする。肉が柔らかくなるまでゆっくり煮込む。
2)メキシコ産のアワビの缶詰を用意し、千切りのように切る。台湾には車輪のようなトレードマークがついた缶詰が輸入されている。
3)ハマグリ。水を入れた器に塩と鉄釘を入れて、ハマグリを入れ砂を吐かせる。よく洗う。
4)ショウガを千切りにして用意。
5)鶏が煮えたら、2)缶詰の汁も、3)を入れて、煮立ったら、4)のショウガをいれてすぐとろ火にする。ショウガをあまり煮すぎるとショウガの味が勝ちすぎるので注意。

※蔡氏は、司馬遼太郎の「台湾紀行」にも登場されている。以前収録した番組が残っていましたが、現在リンクが切れています。
http://203.66.167.137/Japanese/activities/2004/041021.htm

※なお三宅さんは「豚肉の角煮」「真珠団子」を用意されていたが時間切れにて、次回?持ち越し。残念。

……
台湾からの国際放送、日本語番組のdictationを掲載してみます。放送はオンデマンドでも(1週間分)聴くことができますので、短波ラジオをお持ちでない方もぜひどうぞ。
http://japanese.rti.org.tw/
by trocke | 2006-01-28 21:01 | 社会