4月5日は清明節
2006年 04月 05日
RTI 日本語放送 20060405
●清明節特集
personality:林田充知夫、王淑卿、上野重樹
二十四節気のひとつである清明節は、旧暦によって毎年日にちが前後するが、台湾では国の休日として4月5日と決められている。このころは家族連れでハイキングするにもよい季節。
台湾ではこの日を国民掃墓節とも呼び、臨時列車が増便されたり、高速道路が無料化されたりする。(今年の4月5日は水曜日となるため、高速道路は、直前の週末4月1日、2日の0〜6時、そして4月5日終日が無料化された)台北市では、MRTの駅と墓苑とを結ぶ専用バスが無料運行される。
紙銭
墓の前では、紙銭を燃やす習慣があるが、大量に燃やされることもあって、最近はダイオキシンなどの環境面に配慮して新たな提案がなされている。台北市管理の墓苑では、焼却代行袋が配られ、「墓前で燃やさず、まとめてゴミ焼却場で燃やそう」と呼びかけている。ご先祖に送る紙銭をゴミといっしょに燃やすなんて、との反対意見も多いが、「大事なのは真心で、必ずしも墓前で燃やす必要はない」「燃やす際にも、紙銭の額面を大きくして、燃やす枚数を減らしてほしい」「WEB上のバーチャル紙銭も利用しては」と協力を呼びかけている。
墓地
かつてはほとんど土葬だったが、近年は火葬が多くなった。現在、土葬は全国で20数%。特に都市部ではほとんど火葬である。墓は、ひとりに一つ建てられるため、場所の問題もある。こうして納骨堂の利用が一般的となり、
樹葬
(自然界で分解する容器にお骨を入れて、木の根元に埋める)や花園や海への散骨も増えている。
郊外を車で走ると、山の斜面に墓がたくさん並んでいるのを見ることができる。墓は先祖の家(住み処)とされ、形も家のようだ。
お墓参りは、まず傍らに祭られた后土にお供え物をする。(后土は土地の神を祭ったもの)
伝統的にはお供え物は十二種類用意されたが、今日では、簡略化されつつある。主なものは
紅亀粿
真っ赤なお餅で、表面は亀甲模様。中には小豆、ピーナッツ、切り干し大根などの餡が入っている。
發粿
蒸した餅。「発」とくれば、財である。
菜頭
cai4 tou2
大根。これは、彩頭(よい兆し)と同じ発音から。
韮
ニラも、久(jiu3)と同じ発音から。
草仔粿
cao2 zai3 guo3
閩南語では、ツーカッケイと発音。いわゆる草餅。春の七草のゴギョウ(ハハコグサ)を練り込んでいる。日本でも、古くはヨモギではなくゴギョウを練り込んでいたらしい。
ただ、昨今は花束にビスケットやインスタントラーメンなど軽いお供えを持っていく人も多くなった。
掛紙
黄色、白、あるいは5色の紙を置き、石で重しをする。これは、瓦の代わりとも、お金の代わりとも言われている。
アヒルのゆで卵
お供えした卵の殻をむいて、お墓に撒く。脱皮する、新しくなるという意味合い。中身は、食べてしまいます。
そして、紙銭を燃やし、爆竹を鳴らす。
なお、寒食節の影響もあり、この日は火を使わない食事で済ますという習慣がある。墓参りは早朝から行い、お昼には潤餅(run4 bing3 台湾式クレープ?)などいかがでしょう。
寒食節:晋国の重耳とその家臣であった介之推との故事にもとづく。寒食節は冬至の翌日から百五日めで、清明の直前にあたる。その日は、火の使用を禁じて、冷食をすることとされた。
ただし、お墓参りを別の日に行う人たちも多い。
客家の人は、旧暦1月16日(から清明までの間)に行うし、章州出身の人は旧暦3月3日。
……
台湾からの国際放送、日本語番組のdictationを掲載してみます。放送はオンデマンドでも(1週間分)聴くことができますので、短波ラジオをお持ちでない方もぜひどうぞ。
http://japanese.rti.org.tw/
また、Podcastでは毎日前半30分を配信しています。(トップページの“POD”のボタン)
●清明節特集
personality:林田充知夫、王淑卿、上野重樹
二十四節気のひとつである清明節は、旧暦によって毎年日にちが前後するが、台湾では国の休日として4月5日と決められている。このころは家族連れでハイキングするにもよい季節。
台湾ではこの日を国民掃墓節とも呼び、臨時列車が増便されたり、高速道路が無料化されたりする。(今年の4月5日は水曜日となるため、高速道路は、直前の週末4月1日、2日の0〜6時、そして4月5日終日が無料化された)台北市では、MRTの駅と墓苑とを結ぶ専用バスが無料運行される。
紙銭
墓の前では、紙銭を燃やす習慣があるが、大量に燃やされることもあって、最近はダイオキシンなどの環境面に配慮して新たな提案がなされている。台北市管理の墓苑では、焼却代行袋が配られ、「墓前で燃やさず、まとめてゴミ焼却場で燃やそう」と呼びかけている。ご先祖に送る紙銭をゴミといっしょに燃やすなんて、との反対意見も多いが、「大事なのは真心で、必ずしも墓前で燃やす必要はない」「燃やす際にも、紙銭の額面を大きくして、燃やす枚数を減らしてほしい」「WEB上のバーチャル紙銭も利用しては」と協力を呼びかけている。
墓地
かつてはほとんど土葬だったが、近年は火葬が多くなった。現在、土葬は全国で20数%。特に都市部ではほとんど火葬である。墓は、ひとりに一つ建てられるため、場所の問題もある。こうして納骨堂の利用が一般的となり、
樹葬
(自然界で分解する容器にお骨を入れて、木の根元に埋める)や花園や海への散骨も増えている。
郊外を車で走ると、山の斜面に墓がたくさん並んでいるのを見ることができる。墓は先祖の家(住み処)とされ、形も家のようだ。
お墓参りは、まず傍らに祭られた后土にお供え物をする。(后土は土地の神を祭ったもの)
伝統的にはお供え物は十二種類用意されたが、今日では、簡略化されつつある。主なものは
紅亀粿
真っ赤なお餅で、表面は亀甲模様。中には小豆、ピーナッツ、切り干し大根などの餡が入っている。
發粿
蒸した餅。「発」とくれば、財である。
菜頭
cai4 tou2
大根。これは、彩頭(よい兆し)と同じ発音から。
韮
ニラも、久(jiu3)と同じ発音から。
草仔粿
cao2 zai3 guo3
閩南語では、ツーカッケイと発音。いわゆる草餅。春の七草のゴギョウ(ハハコグサ)を練り込んでいる。日本でも、古くはヨモギではなくゴギョウを練り込んでいたらしい。
ただ、昨今は花束にビスケットやインスタントラーメンなど軽いお供えを持っていく人も多くなった。
掛紙
黄色、白、あるいは5色の紙を置き、石で重しをする。これは、瓦の代わりとも、お金の代わりとも言われている。
アヒルのゆで卵
お供えした卵の殻をむいて、お墓に撒く。脱皮する、新しくなるという意味合い。中身は、食べてしまいます。
そして、紙銭を燃やし、爆竹を鳴らす。
なお、寒食節の影響もあり、この日は火を使わない食事で済ますという習慣がある。墓参りは早朝から行い、お昼には潤餅(run4 bing3 台湾式クレープ?)などいかがでしょう。
寒食節:晋国の重耳とその家臣であった介之推との故事にもとづく。寒食節は冬至の翌日から百五日めで、清明の直前にあたる。その日は、火の使用を禁じて、冷食をすることとされた。
ただし、お墓参りを別の日に行う人たちも多い。
客家の人は、旧暦1月16日(から清明までの間)に行うし、章州出身の人は旧暦3月3日。
……
台湾からの国際放送、日本語番組のdictationを掲載してみます。放送はオンデマンドでも(1週間分)聴くことができますので、短波ラジオをお持ちでない方もぜひどうぞ。
http://japanese.rti.org.tw/
また、Podcastでは毎日前半30分を配信しています。(トップページの“POD”のボタン)
by trocke
| 2006-04-05 20:20
| 社会